食料が心配になる理由
日本の食料自給率はここずっと低下しつづけているが、38%だからなんとか大丈夫、持つだろう、と思うのは甘かった。
何故なら、その食料を生産する肥料、近年は化学肥料がほとんどになってきている・・が99%も輸入に依存しているから。異常気象が通常気象のようになり、洪水、干ばつが頻繁に世界各地で起こる今、日本の食糧事情はとても不安定。
中国は14億人が1年半、食べられるだけの穀物備蓄を「爆買い」。
ウクライナ紛争の中で、ロシアやベラルーシは「日本は敵国だから売らない」といい、世界の穀倉地帯のウクライナは、積みだし港への攻撃再開で輸出がわずかしかできない状態。
インドは「外国に売っている場合じゃない」と自国民の食料確保のため、小麦と米の輸出規制を始めた。 インドの米と小麦の生産輸出量は世界1,2位。 コメの輸出は世界の4割を占めるため、穀物価格が高騰している。 今、輸出規制をする国は世界30ヶ国。
日本は備蓄1,5~2ヶ月。 これに種や肥料の輸入がなければ、収穫は半分程度になり、もし タネの輸入停止を想定すると自給率は1割程度、という恐ろしい事態が現実。
戦後、日本は食料は「輸入すればいい」という考え方にシフトしてきた。その一因は朝鮮戦争後あたりからでてきたアメリカの余剰農産物。日本政府はアメリカの要請をうけいれ、多くの自由貿易協定を通じて、アメリカ農産物を受け入れてきた。
それと引き換えに、自動車などの製品を輸出して利益をふやし、「食料は安い国から輸入すればよい」、それが日本の食料安全保障 という経済政策。
欧米諸国の手厚い農家保障にたいして、日本は保護がとても薄い国。
アメリカでは農家が米1俵の場合、4000円で販売するとき、生産コストが12000円なら、その差額すべてを政府が保証するという。
ヨーロッパ各国も農家への補償は厚く、フランスでは食料自給率は100%を超え、農家の平均年齢は51歳。日本のそれは68歳。
アメリカでは、消費者の所得に応じて、食料を買うカードをしきゅうするなど、消費者支援策に10兆円の予算を使っている(人口は日本の約3倍)
こんな事情だから、生産者や消費者への支援をこの2023年度予算で改めて、はっきり位置づけてほしいもの。
(ぼやけている表はクリックするとはっきり見えます)
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