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2018年9月 7日 (金)

ラバウル戦記

Yjimagejqf340di水木しげるの「ラバウル戦記」を読む。 あの妖怪ロードを歩いたおかげで、なぜ彼が鬼太郎アニメをうみだしたがが知りたくなったから。

勿論、最初から水木さんのラバウル体験と妖怪がつながっていたと思ったわけではない。しかし、この本を読み進むうちにその想いを深くしたのだ。61rnjqa3qbl_ac_ul320_sr232320_1

彼は徴兵されてからラッパ吹きになったが鳴らないので「やめさせてくれ」と直訴。そしたら、戦線の「南方がいいか北方がいいか」と聞かれ、「南方です!」 とこたえると ラバウル行きとなった次第。O04210337132624097841


これが、すでに敗色濃い昭和18年。 ご存じのようにインドネシアには無数の島がある。すでに日本が敗退した島もあり、そのたびに行軍や小屋造り、土嚢運び、食糧運びなどの重労働、食糧の調達がままならなくなってくると、食べ物さがし。

古兵・下士官以上はは神様のようにふるまい、飯の用意もしないし、使役の労働もない。用のない時は一日中家の中で談笑。初年兵は「おそい」、「にやついた」、「下手」といっては殴られる。 初年兵といっても半年古いと古兵になる。 古兵もまた古兵でしっかりと階級に別れる。 あとから、補給の兵隊が来ない限り、一番遅く入った兵隊は永遠に初年兵。1


彼の持ち前の楽天性から、なぐられてもなぐられてもへこむことなく常に何かに明るい光をみいだしていた。すなわち、ジャングルの森の静けさ、緑の濃さ、花の美しさ、動物たちのオーケストラとも取れる合唱や合奏。 そして、上司にもたまにはいい人もいるということを。 あるとき、飢えてカタツムリを焼いた。だれも手を付けようとしなかったが、真っ先に食べ始めたのは水木2等兵。 65fa440a1

彼の生きる力は人並み外れていたし、現地人とも交流がとれていたから 所属部隊がすべて戦死しても奇跡的に彼だけは生きてかえってこれたのかもしれない。 敵が上陸してきたときに、彼はもう弾もなく物陰で死んだふりをしていたらしい。しかし、腕を負傷、野戦病院をたらいまわしの中で捕虜となり、半年後に帰国。

敵前最前線に常にいるなかで、思ったこと。「植物や石は平穏に暮らしているのに、なんで人間だけがのた打ち回らねばならんのだろう」

「文明なんで何だ、いじめられ、そして何かあると≪天皇の命令だから死ね≫と来る。 又忙しいばかりで何もない。それに比べて土人の生活はなんと素晴らしいものだろう。すなわち日本人には味わえないゆったりとした心があるのだ。」A0087957_183958781
あるとき、彼は現地人の妻が妖怪に殺された話を聞いた。軍医にこの話をすると、アトバラナという特殊な蚊のせいだろう、ということだった。 妖怪、そして何百、何千という彼の同僚や上司の死を目のあたりにした彼には戦後、その亡霊が妖怪・亡霊・想い出になって彼をとりまいていたことだろう。 
楽天家といえども死線を共にさまよった仲間たちを簡単に忘れることはできなかった。 8e28c6dd4161d6003f98f392bb6689739_3


それが 彼の 「妖怪」だったのだ、と私は思う。 鬼太郎は彼のヒーロー、目玉おやじは彼のブレーン、そしてねずみ男? もしかしてこのコメディアンは彼自身??

従軍慰安婦のことも描かれている。彼女らは掘立小屋のようなものをあてがわれ、一日に何十人と相手をさせられる。 水木もまた、「小屋」があるとき、行ったら50人位ならんでいたので、あきらめた、と書いている。 彼女たちの事を軍は「ピー」 とよんでいた。 ピーとは英語で 「おしっこ」を意味する。おしっこのはげぐちとしての「ピー」なのか (# ゚Д゚) ムッカー !!

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コメント

その本の様子は、NHKテレビ小説「ゲゲゲの女房」でも詳しくやりましたね。
見張り役だった水木さんが居眠りした為、自軍の部隊が全滅した話も出てきます。

ちなみに私の母が他の祖父はやはり激戦区だったルソン島で戦死しました。
戦死した日付は「昭和20年9月・・」、そうです。
すでに終戦宣言し調印まで済んだ日から1ヶ月以上も経った島を、終戦を知らず行軍していての戦死(餓死)でした。

が他→方でした。

玉井人さん
水木さんが居眠りしたのでしたっけ、その時に!!
いずれにしても圧倒的に兵力、人力で劣る日本軍。
勝ち目はおそらくなかったでしょう。
兵隊さんたちの気迫でもその差は歴然としていましたから。

ひいおじい様がルソン島で・・・。 御気の毒です。しかも
1945年9月なんてひどい!! 上の方はすでにポツダム宣言を
受け入れているのもわかっているのに、戦闘中止の命令を
ださなかった犠牲になったのですね。
戦死者の三分の一は餓死とも聞いています。
戦争にはいい戦争、悪い戦争なんてないですね。

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